市民社会と警察官

講演の様子

市民社会とは何か

1.日本国憲法の理念―1946年(昭和21年)11月3日制定
日本国憲法の最大の特徴的は平和主義であり、自由、平等、個人の独立(基本的人権)が守られる社会で民主主義の担い手としての市民の活動を保証していく。
※市民と国民は同一の範囲の場合があるが、日本国籍を有しない人(外国籍の人)も含まれる時もある。
2.市民の法
市民の経済生活(財産や取引に関する部分のみならず、基本的単位である「家族」についても、規律しており近代国家は夜警国家ではない。
※明治時代に制定された民法典は家の制度を設け男性優位原則であったが、新憲法は個人の尊厳の保障と男女平等原則の確立を制定し、親族編、相続編の全面改定が行われた。
労働法においても労働者の地位向上のため団結権、団体交渉権、争議権を保証している。
農地法においても小作人の地位向上のため正当な理由なき時は第三者に農地を譲渡した場合でも小作人に農地の引渡しを受けている限り自己の賃借権を対抗できる。
3.生命、安全、
財政の確保の法
刑法は禁止する行為を犯罪とし、その違反行為に刑罰を科すことによって市民の利益を犯罪から守るものである。刑法の基質となる原則は罪刑法定主義や遡及効の禁止である。(憲法39条)
刑罰の目的は法秩序を維持するには刑罰は一般予防と特別予防との双方の目的により法秩序が維持することができる。
4.「六法の意味」
一般に近代国家が法制度を整備するとともに不可欠のものとした6つの基本法は、憲法・民法・商法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法である。
5.国家と市民
国家は公益を実現する特別の地位を与えられ、市民に対して命令し、指示し、強制することが出来るのであり、それ故、行政機関の行為の効力が特別に保護されているのである。
6.アメリカの人権差別撤廃運動
マーティン・ルーサー・キング

マーティン・ルーサー・キング
黒人の公民権運動を牽引した指導者。
1968年4月4日に遊説中に暗殺された。

マーティン・ルーサー・キング牧師
I have a doream one day.
アメリカ憲法では、Justice(正義)Liberty(自由)が保証されているがそれは白人のものである。
Separate but Liberty(かくりされた自由)であり、黒人には民主主義や人権、自由かなく「すべてに人は神のもとで平等につくられている」理念に反する。
キング牧師はインドのマハトラ・ガンジーの非暴力行動を通じて、公民権法(Civil right of low)を制定させた。(1963年8月28日 ワシントンの大集会)
We shall over come.
(私達は打ち勝つ)
※アメリカの人権平等の市民革命である。しかし、1968年4月4日、39歳で凶弾に倒れた。毎年1月の第三月曜日は、King dayとして祭日になっている。
※アメリカのリンカーン記念館には有名な演説が刻まれている。(南北戦争の激戦地ゲテイス、バーグの演説)
THAT GOVERN―MENT OF THE PEOPLE BY THE PEOPLE FOR THE PEOPLE SHALL NOT PERISH FROM THE EARTH
(人民のための、人民による、人民の政府が地球から滅びないために神よ守りたまえ)
※又、アーリントン墓地にはケネディ大統領の墓にエターナルファイア(Eternal Fire 永遠の火)があり、墓の前には大統領の就任演説で有名な文=
ASK NOT WHAT YOUR COUNTRY CAN DO FOR YOU、ASK WHAT YOU CAN DO FOR YOUR COUNTRY
(国家があなたに何をしてくれるか問う前に、あなたが国家のために何ができるかを問いたまえ)
=の刻まれた石碑が建てられております。
※ワシントンDCでは、私が訪ねた昭和48年夏には黒人移住者が増え、黒人の人口が7割を占めていました。
7.バラク・オバマ氏は第44代大統領として来年1月20日就任式に臨む。

警察官への期待

多くの市民に第一線で接する警察官は行政の中でも最も市民に近い立場にいる。社会のため世のために公益を守る職業であり、高い道徳性と倫理性が求められる。頼られる警察官として担当地域を愛する郷土愛、そして国を愛する国家愛に高め、豊かな人間性を養って頂きたい。

1.責任逃れをするな
人間は神様ではないのですから失敗はつきものです。失敗すること自体は問題ではなく、失敗したときにとるその人の態度が問題です。
2.乱雑、不整頓になるな整理整頓は社会人のエチケット。
3.相手の立場を理解しよう
4.バランス感覚を育てよう(リーガル・マインド)
法の適用に柔軟、的確な判断。常に全体のことを考える習慣を身につけよう。
5.任せられたら報告しよう
正しい報告は職場コミュニケーションの基本

※ちなみに自衛隊法52条には次の条文がある。

「強い責任感をもつて専心その職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に努め、もつて国民の負託にこたえることを期するものとする」

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