企業における安全運転管理の方法

浦和中央自動車教習所 秋本昌治

不測の事故・事態−その時、運転者は、
―報告 連絡 相談 の意義―

T

  • 組織的問題への対応の遅れや業務実績の低下は、全て報告の遅れが原因である
  • 組織としての対応の遅れが社会的信用を落とすことになる
  • 不報告が仕事のミスを隠し、責任逃れとなる
  • 小さなミスを隠すことが、大きな事故が発生してしまう
<危機は突然に我々の想像を超えて起こる>
  • 製品配達中の交通事故
  • 製品に対するクレーム、顧客とのトラブル
  • 納品からの事故(火災、人災)の発生
  • 会社、営業所の火災、自然災害
  • 製品の盗難、納品困難事故
  • 社員不祥事〜窃盗、横領、製品横流し、傷害事件、ハレンチ事案
  • 業務中の職員の急病
  • 自然災害による製品の配達、社員の出勤が不可能

1 迅速かつ的確な報告

  1. 組織にとって報告(情報)は生命線で業績の99%はこれで決まる
  2. 第一に迅速な報告、次に正確であること(誤報は早く訂正する)
  3. 飾らない、事実をそのまま報告する(虚報や粉飾報告は禁物)
  4. 良い情報は遅れても、悪い情報ほど早く報告する

2 報告要領

  1. 第一報告は早く組織のトップまで届くように(飛び越え報告もする)
  2. 事実をありのままに(個人の主観や憶測は入れない)
  3. 躊躇せず迷ったときはまず報告
    • 現在わかっているところまでを、わからないものは明確にわからないと言う
  4. 報告したことをメモにする
    • いつ、だれが、どこで、なにを、どうして、どうなった
  5. 報告しすぎても叱られない、報告しないこと、嘘の報告が罰せられる

3 報告を受けた者の心構え

  1. 受けた報告を組織のルートに乗せて上司に伝達する
  2. 報告事項の「緩急、軽重」の判断
  3. 報告内容の組織的問題点・波及性を考える
  4. 報告内容に対する自分の意見を考える
<基本とは>

人生の先輩たちが、仕事での失敗や成功を重ねた中で培われた、全ての行動や考え方の基となる、「手法、コツ、勘」などといわれるものを言う

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U

リスクマネジメント(危機管理)、アクシデントマネジメント(事故管理)を経営者、管理者が 指揮者として統率すべきことが「3C+I」です

  1. 命令Command
  2. 統制Control
  3. 伝達Communication


情報収集・発信 Information

会社としていかにリスクに立ち向かうかという方針を決め、周囲に伝える機能を経営者、管理者がしっかり握ることからすべてははじまります。 リスクマネジメントを知る会社は、最悪の事態を防ぎピンチをチャンスに変えることも出来るのです。

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V 危機管理のためにヒヤリ、ハット体験を生かそう

―ハインリッヒの法則 1:29:300―

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W 継続することで良き習慣を身につけましょう

当社就業規則に見る安全運転管理

服務規定
第5条
  1. 朝礼のときの上司よりの注意や伝達事項は、聞きもらしのないようによく理解し実行のこと。
  2. 所内、路上教習中、送迎バス運行中に交通事故が発生した時には道交法上求められている義務を確実に迅速に行なうと共に教習所の担当係りに直ちに連絡し、必要によりその指示に従うこと。
第22条20 職員は次に定めるものを上長の指示するところに保管すること。
  1. 車輌
  2. エンジンキー
  3. 車体検査証
  4. 自動車賠償責任保険証
  5. 教材
  6. 其の他自動車の運行に必要な諸書類
第22条22 本人、および班、または課に指定された自動車の機能点検手入れを励行し、安全運転を励行し事故防止に万全を期すること。
第22条23 自動車通勤の職員は会社が指定した所定の場所に駐車すること。
駐車場利用については別に定める駐車場使用規定規則による。
就業規則
第70条22 懲戒解雇
道路関係法令又はこれに基く命令に違反し逮捕されたとき。

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X 大地震などのとき

1 緊急地震速報が発表されたとき

緊急地震速報は、気象庁が、予想される地震動の大きさがおおむね震度5弱以上である場合に、震度4以上を予想した区域を、その揺れがくる前に発表するものです。

車を運転中に緊急地震速報が発表されたことを知ったときは、運転者は周囲の状況に応じて、あわてることなく、非常点滅表示灯をつけるなどして周囲の車に注意をうながした後、急ブレーキを避け、ゆるやかに速度を落としましょう。

2 大地震が発生したとき

大地震が発生したとき、運転者はつぎのような措置をとるようにしましょう。

(1)車を運転中に大地震が発生したとき
  • 走行中に大地震が発生すると、激しい振動を受け、ハンドルをとられます。このようなときはハンドルをしっかり握り、急ハンドル、急ブレーキを避けてできるだけ安全な方法により道路の左側に停止させます。
  • 停止後は、四輪車はカーラジオなどにより、二輪車はその他の方法で地震情報や交通情報を聞くとともに、周囲の状況に応じて行動しましょう。
  • 車を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動しておきます。やむを得ず道路上に置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーはつけたままにし、四輪車の場合窓を閉め、ドアはロックしないで、貴重品は携帯しましょう。なお、駐車するときは、避難する人の通行や災害応急対策の実施の妨げとなるような場所には駐車しないようにします。
(2)避難のために車を使用しない

避難するとき車を使用すると、道路は混乱し、緊急車両の通行を妨害することにもなりますので、使用しないようにしましょう。

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